看護師が上京ストーリー/東京で働くナースには夢がある

看護師上京ストーリー

先日、お会いした23歳の病棟看護師K美さんは
まだ20歳前といっても通るあどけなさの残る
朗らか美人さんでした。

 

K美さんの出身は四国で
看護師専門学校を出て、実家から新卒で働き始めた
病院に通っていました。

 

彼女は二人姉妹の長女ということもあって、
両親から地元に残ることを強く勧められて
実家を離れることができなかったのですが、
実は新卒のときには東京で働きたいという夢というか野望がありました。

 

そのことで家族会議も開かれり、喧嘩もしましたが、
あることが決定的要因になって
地元に残らざるをえなくなったのです。

 

看護師お礼奉公も足枷に!

それは看護師奨学金の返済
俗にいう看護師のお礼奉公といわれるものです。

 

看護師専門学校卒業後、奨学金を出してくれた病院や医療法人などの系列に
一般的には3年間勤めると、奨学金は返済しなくてもよくなります。

 

K美さんよく耐えたと思います。
勝気なプリセプターにしごかれ
先輩看護師の叱責や嫌味にも耐え
主任看護師にはしごきともいえる指導
休日や時間外の無償というかサービス残業での勉強会、研修

 

彼女が三年間耐えれたのにはワケがあるんです。
「思う存分、ジャニーズのコンサートに行きたい」
「できれば、追っかけしたい!」
という、分かる人には分かる理由。

 

アイドル追っかけにも地方はハンデ

ジャニーズの追っかけにはとてもお金がかかるそうです。
聞くところによると、
最大のものは交通費と宿泊代らしいです。
もちろん、ファンクラブに入っていても
嵐のコンサートなどはプラチナチケットで
ウン十万とかもう一ケタ上なんて値段が
転売市場でついていて、ニュースになったぐらいです。

 

もちろん、現在ではジャニーズ事務所も転売で取得した
チケットでは入場できない対策をとっています。

 

K美さんが一押しのグループは嵐ほどは人気がない
グループだそうで、どうにかコンサートやイベントのチケットは
取ることが可能らしいんですね。

 

でも、忙しい新米看護師でしたから、
しかも不規則な病棟勤務の三交代。

 

四国ではコンサートは年に数えるほどしかなくて、
実際にK美さんが行けるのは2,3回だったそうです。

 

大阪や福岡のコンサートにも行ったことがあるそうですが、
給料も安く、交通費や宿泊代、グッズ購入費にチケット代も考えると
年に1度のご褒美という位置づけだったらしいです。
もちろん、1泊2日の休暇を取るのもけっこうたいへんだったとか。
とにかく病棟看護師は忙しいのです。

 

ふと、気が付くと東京への夢は凍結してた

で、ある日どうしても東京で働く夢があったんだという衝動が
湧き上がってどうしようなく、震えたそうです。

 

憧れのジャニーズが暮らす東京に自分も暮らしたい。
自由に仕事の合間にプチ追っかけしてみたいと想像するだけで
ワクワクしてきたのです。

 

ハイ、ここからは実行あるのみです。
具体的に東京で看護師として働くための
障害についてひとつひとつ潰していったのです。

 

最大のネックになっていた看護師奨学金の返済義務は
3年間で満願成就し、消え去りました。

 

両親の説得には、自分の将来を考えて
都会の最先端の総合病院で看護技術を磨きたいという
親も反対しづらい希望をぶつけました。

 

東京ってよくわからないし、怖い

次に出てきたのが、
東京の土地勘が全くない
東京は家賃が高い、物価も高い
住むところはどうする
転職先の情報がまったくない

 

という、ないないづくしを解消していくことでした。

 

コンサートの聖地といわれる日本武道館の場所は
知っていましたが、代々木体育館といわれるとちょっと怪しいぐらいの
土地勘しかありませんでした。

 

これって当たり前の話で、東京の人が大阪の御堂筋とか環状線といわれても
ピンとこないのと一緒ですね。
大阪の人だって、東京の渋谷、原宿ぐらいは行けても、三宿や自由が丘で
待ち合わせとなると、そこが繁華街か住宅地かもわからないでしょうし、
どの路線の駅かも知らないことでしょう。

 

そこでK美さん自分の条件をざっくりと洗い出してみました。
武道館が東京のど真ん中、九段下にあることは知っていましたから
武道館に電車で1時間以内で到着できるところに住みたい。

 

物価高いけど、給料も高い

東京は家賃が高いから、看護師の独身寮が格安で提供される職場
ジャニーズにお金を使いたいので、いまよりも給料は10%以上アップ
時間もしっかり必要なので、週休2日でサービス残業が少ない病院
あと自分は田舎者なので満員電車は無理。バイク通勤とか徒歩通勤がいい。
そこそこやりがいのある職場であれば、申し分はない。

 

ノートに箇条書きにすると
気が重くなってきました。
あれれ、こんな身勝手なことを叶えてくれる方法ってあるのか?って。

 

そこで、辞める準備をする一方で情報収集を開始。
もちろん、先輩看護師や同僚には辞めることは最終段階まで秘密です。
あなたなら分かりますね。
看護師が辞める兆候を見せると、必ず主任や師長から引き留めにあうんですね。
ましてや3年勤務して、これから期待が大のK美さんなんて
これから大戦力になる貴重な人材なんですから、おいそれと辞めさせるわけがありません。

 

看護専門学校のパイセンに相談だ〜

困ったK美さん、看護師専門学校時代の信頼できる先輩に電話してみました。
先輩さんは、転職されていまは岡山県の病院で働いています。
転職の理由は、実は結婚でした。旦那さんの実家が岡山にあるので
そちらで暮らすために転職して、看護師は続けています。

 

「ツゥルー、ツゥル〜♪」という呼び出し音ももどかしいまま
久しぶりに先輩の声を聞くと
一方的に自分の不安をぶつけていました。

 

「うん、うん」とうなづきながら聞いていた先輩。
幸せそうな声で
「なんも、心配せんでええんよ」というではありませんか。

 

先輩がいうことはいちいち驚くことばかりでした。

 

四国から岡山県に行った先輩のケースでは
看護師転職を支援する会社を使ったのが、結果的に良かったということでした。

 

看護師転職支援会社はWebで登録することができて、
遠隔地の引越しが伴うような転職にとても力を発揮するらしいのです。

 

先輩も婚約中に転職して、旦那さんとは結婚するまでの同居は親が反対するので
看護師独身寮に10か月ほど住んでいたそうなんです。

 

希望の診療科や残業時間、福利厚生や人間関係の良い職場というリクエスト
新居予定地からの通勤手段と時間。先輩はクルマ通勤を希望したそうです。

 

いろんな条件をメールで出しても、ひとつひとつ丁寧に候補先の医療機関を
紹介してくれたといいます。

 

面接にも同行するサービスって

最終的には面接にまで同行してくれたのにはビックリだったそうです。

 

私もさっそく転職支援会社のサイトをいろいろと検索して
コンタクトを取ってみました。

 

先輩の言う通り、これは便利というか
本当に私のためにあるサービスじゃないかと錯覚するほどでした。

 

いま私は、東京武道館から都営新宿線で20分ほどの駅で暮らしています。
看護師独身寮も完備で、借り上げタイプの小奇麗なワンルールマンションなんです。
職場の総合病院はサービス残業撲滅に燃えている、ある先進医療で評判の病院で
きちんと週に2回休めるうえに残業した分はわりとキチンと残業代もいただけています。
(サービス残業はゼロにはならないのは、看護師なら分かると思います…)
地方から出てきた私には悩みのタネだった人間関係も、教えてもらっていた通り
かなり良好な部類だと思います。
田舎者だから馬鹿にされるかもと心配していましたが、実務3年ということで
一通りのことができるようになっていたので、頼りにされていると感じています。

 

一番うれしかったのは職場の2歳下の看護師がなんとなんと
ジャニーズファンだったこと。
お昼休みの食事中に発覚して、もう盛り上がって盛り上げって
大の仲良しになること、となりました。
最初から気の合う仲間ができてラッキーでした。

 

驚くほど簡単に夢が実現した

お給料も地方より東京のほうがやはり高いです。
年収で2割ほどアップしました。
(残業代が割ときちんと払われるとその分でもかなり違いますね)

 

で、給料アップした、その先は
言うまでもなく、ジャニーズのコンサートに
倒れるまで行っています。
夜勤明けの休みでも行こうと思えば行けるのが素晴らしい…。

 

あのとき上京しようと決断したこと
そして、実際に行動した自分を褒めてあげたいくらいなんです。

 

少しでも私と同じように(ジャニオタではなくてもかまいませんよ)、
東京で起きることに夢と憧れを抱いている看護師へ
少しでも参考になればと思って
お話をさせていただきました。

 

みなさんがハッピーナースでありますように!